第42回日本顔面神経学会

この度、第42回日本顔面神経学会を、新しい年号の最初の月、2019年5月30日(木)〜31日(金)の2日間、新大阪ワシントンホテルプラザにおいて開催させていただきます。

平成を跨ぐ昭和53年以来の歴史ある本学会を担当させていただき、顔面神経研究を通じた絆で結ばれた皆様をお迎えする機会を与えていだきました本学会役員ならびに会員諸兄に心より感謝いたします。

学会のテーマも新しい時代における更なる発展を願って、「Step into a new era」とさせていただきました。

兵庫医科大学にとりましては、平成3年に耳鼻咽喉科学講座の雲井健雄先生が神戸市で第14回日本顔面神経研究会を主催されました。その13年後の平成16年には、同じく耳鼻咽喉科学講座の阪上雅史先生が、第27回を大学の所在地でもあります西宮市内で開催され、私も教室員の一人としてお手伝いをさせていただきました。今回は平成18年に新設されました形成外科学講座がお世話をさせていただき、本学としましては15年ぶりの担当となります。

顔面神経に関わる基礎および臨床研究、日々の診療には、耳鼻咽喉科、神経内科、リハビリテーション科、脳神経外科、麻酔科、形成外科などの診療科、理学療法や生理検査などの部門、解剖学、生理学、ウイルス学などの基礎医学分野など、様々な領域の専門家が関与します。

また、我が国の顔面神経研究は卓越した先人のご努力により、長年にわたって国際的にも高く評価され、日本顔面神経学会は世界の顔面神経研究をリードする組織として認められております。

このような背景を踏まえまして、来るべき「New era」に向けて国内外の専門家が互いに手を携えて歩むことを主題としたセッションを設けました。

第14回国際顔面神経学会の担当する韓国顔面神経学会とのタイアップ企画の「日韓合同セミナー「Japan-Korea Joint Seminar: The first step into a new era 」では、日韓両国を代表する先生方による司会とご講演をお願いしております。

教育講演では、社会医療法人寿会富永病院形成外科の吉岡伸高先生に、ご自身のライフワークでもあります「神経移行術を中心とした顔面神経麻痺の再建と周辺の解剖」を最新の３Ｄスライドを駆使してご講演いただきます。

また、新時代に向けて各領域の連携を念頭に置いたシンポジウム、パネルディスカッションとして、「顔面神経再建のnext step」、｢顔面神経減荷術の課題と展望｣、「頭蓋・側頭骨内の顔面神経の温存と再建」、「小児の顔面神経麻痺をどう診てどう治すか」、「それぞれの専門領域から見たボツリヌス毒素療法」を企画させていただきました。いずれも複数の診療科から、その道の重鎮の先生方に加えまして新進気鋭の演者にもご登壇いただく予定です。

ランチョンセミナーでは、本学会における形成外科および理学療法の分野を牽引してこられた、東京歯科大学市川総合病院形成外科の田中一郎先生に「多方向の表情筋ベクトルを考慮した複数の筋移植による笑いの再建　―術式の改良と変遷―」、東邦大学医療センター佐倉病院形成外科の林明照先生に「顔面神経麻痺再建後の評価　－形成外科的視点と40点法との対比－」、帝京平成大学健康メディカル学部理学療法学科の栢森良二先生に「顔面の不随意運動について」のご講演をお願いしております。

例年に倣いまして、第10回顔面神経麻痺リハビリテーション講習会も学会2日目の午後に予定させていただきます。こちらは中川尚志先生が第33回の本学会で企画されてから数えて10回目という区切りの回になりますので、講習会のまとめのセッションでは長年にわたってご尽力いただきました講師の皆様に、これまでの歩みと今後の展望を語っていただきたいと思います。

今回は、本学のホームグランドであります兵庫県を離れて大阪市内を会場とさせていただきます。会場の新大阪は、新幹線はもちろんのこと、大阪空港からのアクセスもたいへんよい場所ですので、全国各地から来阪される皆様もゆっくりとご参加いただけると思います。

大阪の地は土井勝美先生の第39回以来3年ぶりですが、新大阪という場所は活気溢れる大阪の中心地と落ち着いた北摂の住宅地をつなぐ位置にあって独特の趣のある街です。

また、新大阪駅から新幹線に乗れば約15分、在来線でも約30分で京都や神戸に行けますし、奈良にも約1時間程ですので、関西の観光の拠点としてもお勧めできます。学会終了後の週末を利用しての観光などを是非お楽しみいただければと思います。

そして何よりも、講演会場、ロビー、懇親会、地元のレストランや居酒屋で、存分に語り合っていただける機会を提供させていただければ幸いです。

当科は開設から日の浅い少人数の教室ではありますが、事務局長をはじめとした教室員の努力はもとより、兵庫医科大学耳鼻咽喉科同門会「聴思会」ならびに大阪大学形成外科同門会からの温かいご支援もいただいて、開催にこぎつけることができました。

皆様のご参加を、兵庫医科大学形成外科同門会員一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。